後立山(長野/富山) 小蓮華山(2766m)、白馬岳(2932.3m) 2022年8月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:41 蓮華温泉−−2:12 天狗の庭−−3:17 県境稜線−−船越ノ頭山頂標識ピーク−−4:36 小蓮華山−−5:03 三国境−−5:37 白馬岳 6:21−−6:48 三国境−−7:19 小蓮華山−−7:56 船越ノ頭山頂標識ピーク−−8:29 県境稜線を離れる−−9:08 天狗の庭−−9:59 蓮華温泉

場所長野県北安曇郡白馬村/富山県下新川郡朝日町
年月日2022年8月8日 日帰り
天候晴後曇
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場蓮華温泉に駐車場ありだが狭いのでハイシーズンの週末は夜中に入らないと駐車場確保は困難と思われる
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望小蓮華山、白馬岳とも晴れれば大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード。電池切れのため帰路の途中で途切れている
コメント花鑑賞目的で蓮華温泉から小蓮華山経由で白馬岳へ。白馬大池周辺のお花畑は見応え十分。船越ノ頭〜白馬岳の稜線の花の種類は白馬山荘側とは異なるものがあり楽しめた。ただし花のピークはもう過ぎて秋の花に切り替わりの最中。トウヤクリンドウも顔を出していた。針ノ木岳日帰りから中一日だが思ったよりも足が動いた。ガスが上がる前に白馬岳に達したので十分に展望を楽しめたが南西の風が強く寒かった。蓮華温泉もコロナ感染者発生で宿泊&内湯は休止中(駐車場は使える)


小蓮華山から見た白馬岳、鑓ヶ岳方面


蓮華温泉駐車場 コロナ発生により蓮華温泉は休業中
建物裏手の登山道入口 次の分岐は右へ
こんな標識が数か所あり。手書きで標高が書き加えられている 天狗の庭。ここだけ樹林が開け森林限界の様相
大池山荘のテントの光。まだ午前3時過ぎ 午前4時半でやっと明るくなり始める
小蓮華山から見た白馬岳。風は強いがガスはかかっていない 小蓮華山山頂
後立山がずらりと立ち並ぶ
ここで岩の色が赤/白に切り替わる。断層? 鞍部から白馬岳への登り返し
三国境 三国境から北を見ている
ミミナグサだが細かな種類は不明 お花畑
ウサギギク ミヤマアズマギク。初めて見た
タカネヤハズハハコ まだ白馬岳山頂は見えていない
タカネツメクサ イワツメクサ
奥のピークが白馬岳山頂 ミヤマコウゾリナ
イブキジャコウソウ ミヤマアキノキリンソウ
ウルップソウの残骸 ミヤマダイコンソウ。かろうじて咲き残り
シコタンソウもかろうじて残る程度 タカネシオガマ
白馬岳山頂 白馬岳から見た小蓮華山
白馬岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
白馬岳から見た常念岳〜槍穂
白馬岳から見た富山市街地 白馬岳から見た北岳、間ノ岳
白馬岳から見た苗場山 白馬岳から見た大雪渓
ヒトツバヨモギ シコタンハコベ
白馬山荘に荷揚げのヘリ 下山時の白馬岳山頂
たぶんイブキトラノオ ミヤマウイキョウ
たぶんホソバツメクサ 花はタカネツメクサだが葉はシコタンハコベ。種類不明
森林限界のゴゼンタチバナ ミヤマホツツジ
クロトウヒレン 小蓮華山へ続く白い稜線
ミヤマダイモンジソウ 模様が無いのでミヤマリンドウ(葉っぱが開いている)
毛が無いのでイワギキョウ ヨツバシオガマ
ミヤマクワガタ タカネミミナグサかクモマミミナグサ
イワオウギの仲間。正確な分類は私にはまだ無理 コマクサの群生
コマクサ 前方のピークが小蓮華山
コゴメグサだが細かな種類は不明 小蓮華山山頂
小蓮華山から見た西〜北〜東の展望(クリックで拡大)
小蓮華山から見た白馬岳
たぶんシラネニンジン(葉っぱから判断) ハクサンフウロ
イワツメクサ コバイケイソウ
イワオウギの仲間。正確な分類は私にはまだ無理 東へ続く稜線を下る。帽子を忘れたので暑い!
ヤマハハコ エゾシオガマ
白馬岳に雲が絡み始めた
タカネナデシコ ウメバチソウ。秋の花
そろそろ白馬岳は見えなくなるかな まだ登り返しがある
ミミナグサ ホソバツメクサ
トウヤクリンドウ。もう山は秋だ 窪地はお花畑
ミヤマダイコンソウの群落 船越ノ頭。日本山名事典とは位置が異なる
船越ノ頭から見た展望(クリックで拡大)
タカネヨモギ ハクサンシャジン
オトギリソウ ヒメシャジンだと思う
オヤマリンドウ ここは雷鳥が多い場所だが今回は見られなかった
リンネソウ。初めて見た ニガナ
振り返る エゾシオガマ
白馬大池
モミジカラマツ、イワイチョウの群落 モミジカラマツ
分かりにくいがタテヤマリンドウがたくさん咲いている タテヤマリンドウは初めて見た。ミヤマリンドウより色が薄い
雪渓脇のお花畑 チングルマ
コイワカガミ ミヤマキンバイ
蓮華温泉への道に入る。両側はチングルマの大お花畑 チングルマだらけ
イワイチョウ アオノツガザクラ
下り始めるとお花畑はおしまい イチヤクソウ
開けた場所で天狗の庭が見えた 浅い谷にモミジカラマツの群落
モミジカラマツ スミレだが細かな種類は不明
オオバミゾホオズキ ここから天狗の庭の花。まずはハクサンオミナエシ
ソバナ ホツツジ
コゴメグサだが細かな種類は不明 イブキジャコウソウ
ミヤマムラサキ。初めて見た花 ミヤマウイキョウ
天狗の庭から見た西〜北の山々
天狗の庭。ここだけ岩と背の低い唐松で開けた場所 タカネナデシコ
白っぽいヒメシャジン ヒメシャジン
シモツケソウ。ここまでが天狗の庭で見た花 カニコウモリ
ズダヤクシュ シロバナニガナ
蓮華温泉の噴気帯と露天風呂 ソバナ
白い花のシロソバナ。初めて見た ミヤマカラマツ
オオカニコウモリ オタカラコウだと思う
アジサイ オニシモツケ
右が登山道、左が露天風呂 オオカメノキ
タマガワホトトギス 露天風呂の案内
蓮華温泉 周辺の登山道案内図
蓮華温泉から見た北側の山々 ミヤマナデシコ
蓮華温泉駐車場


 お盆休み第二弾の山はどこにするか悩んだが、久しぶりに蓮華温泉起点白馬大池の白馬岳とした。白馬岳は高山植物のピークと思われた先週に大雪渓経由で登ったが、蓮華温泉からのコースだとまた違った種類の花が見られるとのこと。このルートを歩いたことはあるが、まだ花に興味が無かった時期なのでどんな花が見られたかの記憶は皆無で、ネットの記録で見られる花々の中には私が見たことが無い花も。蓮華温泉は長野市内からでも近いとは言えず、日帰りをやるならお盆休みはちょうどいい。

 事前にネットで蓮華温泉への車道や登山道の状況を調べたら、なんと蓮華温泉で新型コロナ患者が発生し、宿泊と内湯の営業を休止中とのこと。今年はこんなことが山小屋でも多い。車道、登山道、駐車場の利用は問題ないとのことで今回の計画に影響なし。

 国道から蓮華温泉まで距離があり時間がかかる。すれ違った対向車は一台だけと閑散としていたが、車道終点の駐車場は日曜夕方で3割程度が埋まっていた。ここは容量が少ないので夏山シーズンの週末は駐車場に入りきらないほどであるが、日曜日なので少ないのであろう。それでも私と同様に車中泊して明日入山する人の姿がちらほらと見られた。

 この日も大気の状態が不安定でお昼頃には雷雨の予報が出ているので、ガスが上がって展望が無くなる前を狙って白馬岳山頂到着は午前6時頃を計画して出発は午前1時頃とし、起床は午前0時頃。蓮華温泉は標高約1500mあるので涼しく過ごせて快適に寝られた。夜中でも上がってくる車があったが、既に駐車してあった車の間に駐車したので横でエンジン音がすることはなかった(快眠には結構重要な事項)。

 夜中は星空で好天だったが山頂到着時も晴れているかは不明。涼しい中を出発。久しぶりなので登山口がどこなのか忘れてしまい少しまごついたが、案内標識のおかげで蓮華温泉の建物の西側から南側に回り込み、分岐を右へ。さらに分岐を右に入ればもう分岐は無い。しっかりした登山道なので体に触れる藪も無い。時々案内標識が出てくるが、そこに手書きで書き加えられた現在位置の標高が最も役立つ情報であった。

 標高2050m付近が「天狗ノ庭」と呼ばれる、まるでそこだけ森林限界を越えたような背の低い唐松と岩の開けた斜面に変わり、ここだけ高山植物がいろいろと見られる。何か地質的な要因があるのだろうか。花の写真撮影は明るくなった下山時にして先を急ぐ。

 再び樹林帯の登りが続くが、このルートは天狗ノ庭以降は尾根上ではなく斜面のトラバースなので現在位置が分かりにくく、高度計の表示が唯一の情報である。樹林帯ではイチヤクソウが目立つ存在でたくさん花を付けていた。

 樹林が開けるのは白馬大池近くに達してからで、傾斜が緩むと同時に樹林からチングルマの広大なお花畑が登場。イワイチョウも咲いていた。県境稜線で縦走路に合流。大池山荘のテント場の光が見えており、白馬岳方面の稜線上にはいくつかの光が見えている。この時間帯だと白馬岳でのご来光狙いかも知れない。

 しばらくは登山道の両側がお花畑だが、まだ真っ暗なので鑑賞は帰りの楽しみにして先に進む。ハイマツが登場するとお花畑はおしまいで船越ノ頭へ向けて緩やかに上がっていく。ここは雷鳥が多いエリアだが今日は残念ながら行きも帰りも雷鳥は見られなかった。

 最初の2590m峰が日本山名事典の船越ノ頭だが登山道は北斜面を巻いてしまい、船越ノ頭の山頂標識があるのは2612m峰であった。ここからは尾根が細くなり南西の風が強くなり寒くなったので防寒装備を装着。ズボンは登山靴を脱ぐ必要があるので上着と毛糸の帽子、手袋であるが、これで効果はそれなりにあった。  小蓮華山の手前で2人を追い越して小蓮華山山頂では1名を追い越す。小蓮華山でギリギリでライトが不要な明るさになったが、東の空は雲に覆われているので今日は日の出は見られないだろう。でも小蓮華山から見る白馬岳にはガスはかかっていないので山頂からの展望は楽しめそうだ。

 もったいないが約100mの標高差を下っいく途中で岩の色が赤から白へと切り替わる境界がある。白馬岳側は白、小蓮華山側が赤だが断層でもあるのだろうか。

 鞍部から登りに変わって少し進むと三国境で、朝日岳方面からの縦走路が合流する。この先は花が多くなり、ミヤマアズマギク、ホソバツメクサは初めて見る花であった。登山道が稜線東側を巻く箇所は風が遮られて寒さが和らぐが、すぐにまた稜線上に戻って寒い。ここまで来ると白馬岳から降りてくる登山者の姿が見られるようになった。

 最後の一登りで白馬岳山頂に到着。ガスはかからず北アルプスの展望は良好。能登半島は微かに見える程度だが黒部川河口付近の海岸線ははっきりと見えていた。旭岳の向こう側には富山市街地。常念山脈や槍穂も見えていた。東から南は雲の高さが高く、志賀高原の山々や浅間山、八ヶ岳、富士山、南アルプスはほぼ見えず。後で北岳、間ノ岳、富士山のてっぺん付近だけ僅かに見えた。

 一週間前も白馬山荘にヘリで荷揚げをやっていたが、今週も同じ。営業を再開してお盆休みに入る前にやっているのかも。

 山頂も南西の風が強く体感的に寒いので、登山靴を脱いでズボンを履き、ネックウォーマも装着。今日は白馬山荘方面から次々と登山者が上がってきて、中には20人規模のガイド付き大パーティーも。写真撮影して栂池方面へ下っていった。このパーティーは帰りがけに三国境で休憩しているところを追い越した。

 寒いこともあり約40分の休憩で下山開始。栂池方面へ縦走する登山者は多く、逆に栂池方面から上がってくる登山者もいて早朝の時間帯は大雪渓のルートより栂池方面のルートの方が人は多いように感じた。

 帰りは花の写真撮影しながらなので少々時間がかかった。山頂付近の稜線ではミヤマリンドウが多く見られたが、朝早い時間帯なので花が開いた固体が少なく撮影に苦労。ミヤマリンドウは大雪渓ルートでは見たことがない。

 小蓮華山は写真撮影だけして通過。ここではたくさんの人が休憩していた。船越ノ頭の山頂標識がある2612m峰では釣鐘状のハクサンシャジンとヒメシャジンの花あり。船越ノ頭からの下りのハイマツ帯では薄いピンク色の下を向いたラッパ状の花がハイマツの影に散見された。初めて見る花で種類が分からなかったが、下山後にネット検索してリンネソウと判明。白馬大池周辺のチングルマのお花畑ではタテヤマリンドウの群落あり。見た目ではミヤマリンドウと同じようだが色がやや薄く、花の内側に明瞭な縞模様が見えるのが特徴。ただし色や模様は個体差が大きく、ミヤマリンドウと正確に見分けるポイントは葉の付き方だそうで、ミヤマリンドウは葉が茎から開いているが、タテヤマリンドウは茎にほとんど張り付いているという。これからは葉も気を付けて観察することにしよう。イワイチョウ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンバイも見られた。

 白馬大池で多くの登山者が行き交う縦走路と分かれて蓮華温泉方面へ。こちらを歩く登山者もそれなりにいるので、登りと下りの登山者両方と行き会った。天狗ノ庭付近だけ樹林帯が開けて森林限界で見るのと同じ高山植物がたくさん見られ、ハクサンオミナエシ、ソバナ、コゴメグサ、イブキジャコウソウ、ミヤマウイキョウ、タカネナデシコ、ヒメシャジン、それに初めて見たミヤマムラサキ。今回の目的の一つはミヤマムラサキを見ることだったので嬉しかった。

 蓮華温泉へ下る直前の沢で濡れタオルで汗を拭う。今回のルートは日が高くなる時間帯は北向き斜面の樹林帯を歩くので暑さが避けられるルートであり、大汗をかくことはなかったが全く汗をかかないわけではなかった。

 蓮華温泉の建物北側では2日前の針ノ木岳の下りの林道脇で見たミヤマナデシコを発見。本日最後の花であった。駐車場はそれなりに車で埋まっていたが満車ではなかった。蓮華温泉の宿泊客や日帰り入浴客がいないのが要因の一つだろう。着替えて林道を下っていくと定期バスとすれ違ったが、ちょうど路側に退避スペースがあって助かった。この林道は全般的に道幅が狭くて車のすれ違いに苦労するので、対向車が接近しないと見えない日中よりもライトの光で遠くから存在が分かる夜間の方が運転しやすい。

 標高が徐々に下がると同時に暑さが押し寄せてきて、国道に出る頃には車のエアコンのお世話になった。

 

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